数字だけの不動産屋を終わらせる。原体験から紐解く「経済と道徳の両輪」
更新日:4 日前
今回から全4回にわたり、新しく策定されたMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の背景にある、佐藤社長の「本音の想い」に迫ります。第1回となる今回は、アローリンク創業の原点について。そもそも、なぜ独立という道を選ばれたのでしょうか?
■ 前職時代に突きつけられた、強烈な違和感
――今回から全4回にわたり、新しく策定されたMVVの背景にある佐藤社長の想いを伺います。まず、アローリンク創業の原点となる前職時代はどのような環境だったのでしょうか?
佐藤社長: 一言で言えば、前職時代に直面した「強烈な違和感」がすべてのきっかけです。 当時いた会社で、僕自身も全く同じ体験をしたし、尊敬していた先輩が辞めるときにも間近で見ていたんですけど、とにかく上層部のマネジメントに共感出来なかった。 物事を解決するためのヒアリングと言いながら、裏では部下に対して「あいつは信用できないぞ」って変なすり込みをして、人間関係の構図を意図的にぶっ壊していくようなやり方をしておられたんです。
――本来、組織をまとめるべき現場のトップが、人間関係を壊していたと。
佐藤社長: そう。本来なら整理して取りまとめるべき人間が、自分の気分や解釈だけで真実を歪めて、人を支配しようとしていた。特別、給料が良いわけでもないし、ここにいてもお互いに全く成長できないなと、良さが1個もなくなっちゃったんですよね。外面と内面が違いすぎて、精神的にも部下を厳しく追い込むような環境でした。
――そこから、転職ではなく「独立」という選択肢を選ばれたのはなぜですか?
佐藤社長: 転職したところで、また次の上司が誰になるかで自分の環境が左右されてしまうじゃないですか。
この会社方針やコンセプトそのものを自分なりに正したい、やりたいことをやるには、「もう自分が決裁権を持つしかない」と胸に誓って独立を決めました。社長の決定が頻繁に変わり、人が定着しないような古い組織を、自分の手で根本から変えたかったんです。

■ 「乱暴・ガサツ」な業界の当たり前をぶっ壊す
――そうして立ち上げたアローリンクですが、創業当初はどんな会社にしたいと考えていたのですか?
佐藤社長: とにかく、既存の「不動産屋っぽくない雰囲気」で行こうと決めていました。当時の不動産業界の営業って、いわゆる「スピード&パワー」とか「乱暴ガサツ」みたいなスタンスが主流だったんです。あの手この手で臨場感を作って、圧で「NO」と言わせずに利益至上主義で契約に持っていくような手法ですね。
――パワーや圧でねじ伏せる営業に対するアンチテーゼですね。
佐藤社長: そうです。案の定、前職の会社は口コミも決して良いとは言えなかったし、パワープレイで無理に抑え込むから、後からお客さんと揉めて解約問題になったりする。そんなのは本当に質が悪いなと感じていたんです。本来、不動産の仲介っていうのはコンサルティングの要素が非常に強いはずなんですよ。
――佐藤社長が理想とする、本来あるべき営業の姿とはどういうものでしょうか?
佐藤社長: 同じ契約をいただくにしても、お客さんにしっかりと納得してもらって、「なるほどね」と気づきを与えながら選ばれるべきなんじゃないかと。綺麗事かもしれないけれど、そういう「倫理観や道徳心を持ち合わせながら、圧倒的に稼げるよね」って言えた方が、めちゃくちゃカッコいいし楽しいじゃんって思ったんですよ。数字のために人をすり潰すのではなく、誠実さを最大の武器にしたかったんです。
■ 素人の弟と2人、泥臭いゼロから勝ち取った「信頼」
――創業期は、非常に少人数での泥臭いスタートだったと伺いました。
佐藤社長: 最初は本当に僕1人で始めるつもりだったんですけど、たまたまタイミングが重なって、弟と2人で始めることになりました。弟は居酒屋のバイトからずっと飲食をやっていて、不動産に関しては完全に素人。そんな状態からスタートしたから、僕がプレイヤーとして数字を作りながら、弟に必死に仕事を教えて……の繰り返しです。
――最初は、本当に何もない状態からのスタートだったのですね。
佐藤社長: 半年後に事務の竹村が入ってきてくれるまでは、自分たちで鍵を開けて、エアコンをつけて、お茶を入れて、すべての雑務をみんなでやっていましたね。入金を確認して、やっと「そろそろ事務を入れてもいいんじゃないか」って言えるような、カツカツのキャッシュフローの連続でした。
――その極限状態の創業期を支えた、アローリンクの基盤となる大きな出来事があったそうですね。
佐藤社長: 会社をオープンしたときに、多くの売主さん(デベロッパーさん)が僕の駆け出しの姿を見て、「他に出すより、たけしのところで独占で売りなよ」って言って、レインズ(市場)に流通させない未公開の専属物件をたくさん預けてくれたんです。僕が営業マン時代に積み重ねてきた仕事の技術や姿勢を、ちゃんと見ていてくれた人が業界にいたんですよね。
――会社の看板ではなく、「佐藤剛史」という個人への絶対的な信頼で物件が動いたわけですね。
佐藤社長: まさにそうです。仲介業者にとって、特定の会社にしかない希少性の高い情報を持っていることこそが最大の価値になります。その未公開物件の取り扱いが、当時のうちの売上の7割から8割を占めていました。誠実に目の前の仕事で見せていくことが、結果として他社が真似できない圧倒的なビジネスの強み(経済)に直結するんだと、肌感覚で強烈に学んだ瞬間でした。

■ 理念の核:「経済を回し、徳を積む心」
――そこから、アローリンクの企業理念である「経済を回し、徳を積む心。その両輪で、カッコいいオトナを体現する」という言葉に繋がっていくのですね。
佐藤社長: はい。二宮金次郎の「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である」という言葉が、本当に僕の考えていることと100%合致したんです。不動産業界でどれだけ数字を上げて経済を回していても、そこに誠実さや道徳がなければ、ただの詐欺師になってしまう。
――逆に、道徳心だけがあってもビジネスとしては成り立たない、と。
佐藤社長: その通りです。人としてどれだけ正しい心の品格や道徳を持っていても、ビジネスとして経済を回せていなければ、それはただの寝言でしかない。これらは一見、相反するもののように思えるけれど、絶対に両方を高いレベルで積み重ねていかなきゃいけない「異なる両輪」なんです。
――経済と道徳、どちらが欠けても「カッコいいオトナ」にはなれないのですね。
佐藤社長: この両輪をしっかりと回し、経済力も道徳心も兼ね備えている状態こそが、僕の思う「カッコいいオトナ」の定義です。これがアローリンクという会社が存在する理由、つまり僕たちの「存在意義(現在地)」そのものなんだよね。正しいプロセスを踏んで、嘘のない誠実な歩みで結果を出し続ける大人を、僕たちの手で増やしていきたいんです。
佐藤社長: でも、会社が大きくなり、新卒や中途の仲間が増えていく中で、僕の頭の中にあったこの「当たり前の両輪」が、組織の隅々まで伝わらなくなっているという、大きな壁にぶち当たりました。
次回は、僕が直面した生々しい組織の課題、いわゆる「30人の壁」について本音でお話しします。

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